ガザ出身女性起業家が世界へ挑戦


堀尾 藍(INDIGO MAGAZINE 編集長)

2017年3月10日、参議院議員会館において「ガザ起業家の報告会(Japan Gaza Innovation Challenge(主催)」が開催された。

Majd Almashharawi氏は、大学にて土木工学を専攻後、エンジニアとして企業に勤務。紛争が頻発するガザの灰を再利用出来ないか、と考え、2015年にGreen Cakeを起業した。このGreen Cakeで製造された煉瓦は、一般的な煉瓦の半分の重量で、なおかつ耐久性が高い。「周囲には女性は早く結婚しろ、と言われる。けれどもエンジニアとしての道を選択」という。また、「パレスチナは多くの人達が高等教育を受けるが、卒業後の就職先がない」と指摘する。

SKETCH代表のAmal Abdelraof Aby Moailqe氏はAl-Azhar Universityにて機械工学を学んだ後、2014年にSketch Engineeringを起業。Sketchでは、車椅子や負荷がかかる荷物を運搬する際に利用する昇降用キャリア(Stair Climbing Lifter)を開発。

 

イスラエルによって経済封鎖されているガザでは、普通選挙によって選出されたハマスが暫定政府の役割を持つ。しかし、復興に必要な資材はイスラエルが管理しているため、ガザでの復興が進まないのが現状である。そのため、Majd Almashharawiが起業したGreen Cakeは、雇用を生み出すのみではなく、復興の資材となり、また、多くの可能性を持つ。

このガザ出身の女性起業家によって、世界の多くの女性が感化され、勇気づけられるに違いない。けれども、同報告会にご出席された駐日パレスチナ大使が「ガザはイスラエルによって占領されており、その行為が肯定されてはなならない」と指摘するように、占領が正当化され、パレスチナが地域と化さないためにも、国際社会が問題提議をし、議論する必要がある。

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UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)保健局代表の清田明宏氏。長年ヨルダンを拠点とし、パレスチナ難民に対する支援活動を実施。紛争地域では政府機関が機能しないため、実質国連が政府の役割を担う。

2015年に写真絵本「ガザ:戦争しか知らない子ども達(ポプラ社)」を執筆。

 

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SKETCH代表のAmal Abdelraof Aby Moailqe氏は紛争によって障害を持ってしまった人々の荷物の運搬の軽減するための昇降用キャリア(Stair Climbing Lifter)について発表。電力不足に悩むガザの人々にとって、この昇降機のアイデアは重宝する。

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写真左からGREEN CAKE代表の Majd Almashharawi 氏、SKETCH代表のAmal Abdelraof Aby Moailqe氏。前者はMIT competition for Arab start-up projectにて準優勝を受賞。

 

 

当報告会は、パレスチナ友好議員連盟 会長河野 太郎議員、イスラエル友好議員連盟 会長中谷 元議員他がご出席され、NHK解説委員の出川 展恒氏による基調講演「ガザ地区の現状と課題」、UNRWA保健局長の清田明宏氏による「UNRWAのイノベーションへの取組み」の報告も合わせてなされた。

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